Shibahama

ーあなたと笑顔で出会えるようにー

第四回〔訪問らくご〕

今年10月から行われた訪問らくごも、いよいよ楽日。
第一回目は 落語協会 富蔵師匠、
第二回目は、立川流 志ら乃師匠、
第三回目は、落語芸術協会 遊馬師匠、
そして、今日
第四回目は、五代目圓楽一門会の小圓楽師匠
訪問らくごは、江戸落語4団体の皆様にご協力いただきました。

本日の会場は、サンライズ大泉に併設されたカフェ「サンライズ・サーカス」。住宅街を歩いていると、モダンな建物が見えてきます。カフェの前には芝生が広がります。

こちらのカフェは、防災拠点型地域交流スペースとして、2021年にオープンしました。
練馬区の依頼で、健康体操や講座が開かれ、地域の介護予防拠点にもなっています。

天井も高く、広くて明るいお洒落なカフェ。店内には、各地の社会福祉法人の作る、こだわりのジャムやスィーツ、クラフトビールが並ぶショップスペースもあります。

ヨガ教室があったり、キッチンを借りてパーティしたり、マルシェが開かれたり、近所の子供たちの勉強場所にもなっています。

「サーカス行ってくるね」というと、ご家族も安心して送り出すそう。普段は利用者さんも、面会に来たご家族と過ごしています。

そんな開放感あふれるカフェで、寄席の準備が始まります。

12時になると、小圓楽師匠と、弟子の三遊亭楽花山さんが会場にお越しになりました。
カフェにつくられた高座や音響設備をみて、「おぉ、なかなか立派な…」と呟いています。

せっかくだからと、急遽、楽花山さんも一席披露していただくことになりました。

高座から客席の位置を決めて、大きな窓からの光の調整やマイクチェック。
天井が高く反響します。プロの音響と合わせていきます。
「明るいし、お客様の表情が見られるからいいね」

司会役の副施設長は、少し緊張のおももちで、進行のタイミングを打ち合わせています。太鼓の音、笛の音を聞きながら、スタッフの説明をノートに書き留めていきます。
開口一番のめくりも用意され、おまちかねのランチタイムです。
今日は、サンライズ・サーカスの一番人気・ナポリタン。カフェの定休日ですが、特別にご用意していただきました!

パスタもっちり、ゴロッとベーコン、ピーマンのアクセントで、懐かしいようなお洒落なナポリタン。サラダにコーヒーも付いて、美味しくいただきました。
(*Shibahamaも“ねりコレ” 緊急参加!ごろっとベーコンのナポリンタンにもちろん一票!)

さて、本日は、地域の方もご来場です。体温測って消毒して、着席していただきます。
一番乗りのご夫妻は、カフェの講座にも参加していて、ご案内ハガキを見て来てくださったそう。

一番太鼓も早めにスタートです。

利用者さんたちが、車椅子や杖でお見えになります。師匠のポスターを指差しながら、
「この方好きなのよ、嬉しい」
「久しぶりだわねぇ」

太鼓の音に、リズムを取っている人も。

職員の方々のスムーズな動きで、客席が埋まっていき、まもなく開演です。

今日の来場者は60名程。副施設長の進行で、まずは開口一番楽花山さん。小円楽師匠の前に一席…と、大きな拍手で迎えられます。

演目は洒落番頭
「シャレというのを見せておくれ」という主人。
シャレを言ってみせたはずが、シャレのわからない主人に怒られます。
シャレのわかる利用者さんは、クスクス笑って同情しています。

楽花山さんが、めくりをめくると、いよいよ真打! 三遊亭小圓楽師匠が、羽織袴姿で登場です。

まくらには、懐かしの金さん銀さん話題や、落語の世界も高齢化、小圓楽師匠が"若手のホープ"と言われているとか、楽屋での話題が、毎日飲む薬の量自慢になってきた…など、会場は拍手喝采、爆笑の渦。

師匠の声や表情、迫力や貫禄に圧倒されます。

夫婦というのは、どちらかしっかり者なら一方は少々ぼんやりくらいが丁度いいという、長続きの秘訣に、頷きながら大笑いする人、多数。

本日の演目 火焔太鼓
商売下手の道具屋の呑気な亭主が、しっかり者の女房に怒られる日々。ある日、亭主が仕入れた古い太鼓が殿様に…

荷物を担いで屋敷に向かう道中が目に浮かぶ、熱のこもった話芸に、手を叩いて笑いながら、皆、落語の世界に引き込まれていきました。

盛大な拍手の中、高座を終えた師匠へ、副施設長からショップのワインとお菓子のプレゼントか渡されました。

(国際線ビジネスクラス採用ワインだそう)

その後、来場者と師匠を交えての集合写真。大満足の会となりました。

お部屋に戻る利用者さん、
「師匠に会えて良かった」
「久々に大笑いしたわ、面白いねぇ」
スタッフとハイタッチしている人も。

ご近所の方は、
「楽しかった!次回いつやるの?」
「また来たい」
「笑いすぎちゃって、うるさくなかったかしら。ありがとう」

最後に施設の皆様にと、恒例のShibahamaハンカチを、副施設長にお渡ししました。

お客様が皆お帰りになると、高座も片付けられ、テーブルを元の位置に戻して、明日からまた、カフェ「サンライズ・サーカス」の営業が始まります。

今回、Shibahamaと各施設の方々を繋いでいただいた「東京善意銀行」のご担当者もお見えになり、「訪問らくご」を一緒にご覧になりました。
このプロジェクトは、外に出向くことが難しい特別養護老人ホームの利用者の皆さんや職員の方々に、非日常(エンターテイメント)の楽しみと、共通の笑いの時間を、興行のプロたちが仕事として届けていきたいという気持ちをきっかけに始まりました。

東京善意銀行のご担当者は「4月に打ち合わせにいらして、その想いがカタチになりましたね」Shibahamaの担当に感動を伝えています。
「訪問らくご」1stシーズンは、ご家族、近隣の方にもご来場いただき、盛況のうちに千秋楽を迎えました。

サンライズ大泉の副施設長は最後まで
「師匠すごかった…!」と、感動しきりでした。

2024年の〔訪問らくご〕2ndシーズンも楽しみですね。

(取材撮影:律筆)

〔Shibahamaより告知〕

〔訪問らくご〕2ndシーズンは2024年秋の開催予定です。協賛スポンサー様を引き続き、募集しております。資金が集まりましたら、すぐに再開できますので、予定より早く再開します。またこちらは、〔訪問らくご〕大感謝の企画! 福祉・介護業界向けに2023年度内に「ちょっと寄席へ行こう!」キャンペーンを実施。

詳細を近日発表しますので、Shibahamaサイトや東京善意銀行様のホームページ等をご確認ください。(今回はShibahamaの資金枠もあり、人数はとっても少なめです。さらなるご支援の拡大のためにぜひぜひPRをお願いします! 

尚、現在、Shibahamaでの寄付は受付しておりません。寄付される方は、東京善意銀行(東京都社会福祉協議会) (tvac.or.jp)がおススメです。

 

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