さわやかな秋晴れの日曜日、都心の緑豊かな公園のすぐ近くにある"南麻布シニアガーデンアリス"が今回の会場。
2020年設立の新しい施設です。
本日の出演者は、立川志ら乃師匠。
一番弟子の、のの一さんもご一緒です。
1階のロビー、エレベーターの中、館内のあちこちに、師匠のポスターが貼ってあります。
こちらでは、コロナ初期にオープンしたため、皆が集るようなイベントはまだ一度もないとのこと。
以前は、演芸場に足を運んだり、観劇を楽しんでいた利用者の方も多く、今日この日を心待ちにしていたそうです。
ご担当者と段取りを確認していきます。
「一番太鼓があって、二番太鼓が…」
「…志ら乃師匠が、ご登場します。
こんな感じですか?」
「で、お囃子入れますんで」
普段とは違う進行に、職員さんの緊張が伝わってきます。
「今日は50人以上いるけど、車椅子入りきるかな…」やや不安そうなご担当者。前列の位置を確認します。
少し早めに開場することにして小休憩。
本日のランチは麻布笄軒本店
-コウガイケン- かつての地名に由来する店名の人気の洋食屋さんで、この日のランチも貸切でした。
(ハンバーグ弁当、よくみたらソースが違う。和風おろしとデミグラス、どちらにしようか⁉)
いつもより早い一番太鼓とともに、ご利用者さんたちが、ぞくぞくとお見えになります。
「あら〜こんな広くなったの⁉」
「高座があるじゃない!」
「お囃子がいいねぇ」
「お席どこにする〜?」
「この方がお見えになるのね」
別棟の障害者支援ホームからもご来場、70人近く集まっていただきました。
職員の方々のスムーズな誘導で、無事、どこの位置からも高座が見えます。
ご担当者の司会進行で、まずは手をたたいたり、拍手の練習をして、それから…
「大きな拍手でお迎えください!」
(師匠がお見えになりません)
「あっ、もっと伸ばすのですね、では本日の師匠のご紹介をします。立川志ら乃師匠は、立川…」
上手く場をつなぐご担当者
「師匠のご登場です!」
立川志ら乃師匠と、のの一さんのご登場です。
師匠からは「あれあれ、聞いてた時間より早く呼ばれてびっくり」
確かに、まだ開始予定の数分前。会場は大笑いです。スムーズすぎましたね。
お二人のトークで盛り上がったところで、
開口一番のの一さん。演目は"狸の札"
可愛い子だぬきが目に浮かびます。
「クスクス…クスクス…」
職員さんからも、笑いがあふれます。
そして真打、立川志ら乃師匠。
演目は"子ほめ"
習いたてのお世辞でタダ酒にありつきたい噺に、つい大笑いしてしまった人は、お隣さんに「シ〜っ」と、たしなめられてました。
マスク越しですし、ここは笑ってください。
師匠から
「ちょっと時間があるんで、よければ短めのヤツを…」
「わ〜っ」と、拍手で、もう一席。
急ぎたいのに進まない人力車、"反対俥"
師匠の仕草につられて伸びをする人、「病み上がり前」の車夫を心配して「大丈夫か〜?」と、つい声をかける人もいたり。
大きな笑いと拍手の後には、施設側からのサプライズが! 利用者さんから師匠に花束が贈られました。
師匠も思わずにっこり嬉しそう。
施設へは、Shibahamaハンカチのプレゼント。
今後のレクリエーションに使ってもらえるでしょうか。
最後は、師匠とのの一さんと一緒に集合写真。
なごやかな雰囲気でお開きとなりました。
「こういうの、久しぶりだった」
「ありがとうね」
「来てよかったわ!、楽しかった」
スタッフに嬉しいお言葉をかけて戻られます。
最初のグループが移動する間に、他のグループの利用者さんたちは、職員さんの声かけで、歌を歌ったり、深呼吸して軽く体を動かしています。
待ち時間に疲れない配慮、ご担当者の進行はさすがです。
そういえば、南麻布シニアガーデンアリスでは、まだ全館イベントをしたことがなかったとのこと。
今回の『訪問らくご』が、こけらおとし…とは言いませんが、"会場の初興行"…になりましたね。
(取材&撮影:律筆)
☆第二回訪問らくごの様子を、
のの一さんが漫画にしてくれました!
のの一1日ひとネタ
— 立川志ら乃です (@tatekawashirano) October 22, 2023
~一緒に背伸び~#立川志ら乃の一番弟子 #立川のの一 #広瀬アリスと一文字違い pic.twitter.com/uklJzptXUc
【告知】
次回は11月12日(日)上石神井幸朋苑に三遊亭遊馬師匠、そして翌11月13日(月)は、サンライズ大泉にて三遊亭小円楽師匠がそれぞれ登場。今回の【訪問らくご】1stシーズンを締めくくります。